「シリコンバレーに学ぶ、高校生が今、挑戦できない本当の理由と、その克服方法とは?」
2015年1月7日
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インタビュー・コラム
《中高生が挑戦できない本当の理由》
学生時代の失敗は、お金や地位を失うものではない。
ましてや、大人からみると、そんなのは全く問題ないと笑い飛ばせることのほうが多い。
大人はこどもに挑戦と失敗を求める。「挑戦しなさい」「失敗こそ財産だ」
我々もこどもたちに対して、「失敗ってめちゃくちゃ大事なんだぜ。」と伝えることが多い。
なぜなら失敗にこそ学ぶべきモノがたくさんあり、成功よりも成長する種が多分に含まれているからだ。
大人がこどもたちに対して(大人同士に対しても)そう言い続けるのは、その重要さを身をもって知っているからだろう。
しかし、子供たちは、頭ではそれを理解しているが、失敗覚悟で挑戦を自らしようとは思わない。(そもそも大人でも失敗しようとはだれも思っていない)
ただ、本当の意味で彼らが恐れているのは、挑戦した結果、失敗すること自体ではない。挑戦しようと思った時、失敗した時の、周りからの反応なのだ。
“挑戦したいとは思っているけど、周りの目が気になってできない”
普段の学生生活の中で、何かに挑戦したいと思っても、
「アイツなんでがんばってんの。ダッセ。」「まじめぶっちゃって。」「できるわけねぇじゃん。」「だから無理だって言ったじゃん 」
そういった周りの声が本当の意味で、彼らの挑戦の足かせになっている。
そういう環境にいるこどもたちは今、少なくない。
数々の挑戦と失敗を生み出すシリコンバレーではそれらの環境は全く異なる。「Be positive」「Fail Fast」「Think Big」「Change the world」
これらの言葉はシリコンバレーを象徴する言葉だ。ITの聖地というのは周知の事実だが、その背景には目に見えない空気がある。
失敗を肯定し、周りの挑戦をポジティブに受け入れ、ただひたすら猛スピードで前に突き進んでいく。そこでは目の前の壁に対して躊躇したり、過去の失敗などは振り返っていられないのかもしれない。
《挑戦する前に必要なこと》
大人になった今、学生時代を思い返し、周りの挑戦に対して上記のような感情を抱いたことはないだろうか? もしくは、今もついつい抱いてしまうことはないだろうか?
前回の「世界で自分の将来を考える旅inシリコンバレー2014Summer」に参加した高校2年生と、4ヶ月後のフォローアップの際のこと、
「そういえば、あのあとから挑戦できてることが多いかもしれないです。弁論大会とかも出ましたし。予選は通らなかったんですけど、それでもやりたかったのでとりあえず参加してみました。周りですか?全然気にしなかったです。なんでかはわかんないけど。」
いろいろとフォローアップする中で、わかってきたことは、結局のところ、自分が周りに対しての見方が変わったということだった。
「自分が挑戦する人を見ても、変に思わなくなった。だからだと思います。」
挑戦する時に周りの目が気になってできないと思うのは、
要するに、挑戦する周りを自分自身が普段斜めに見ているからなのだ。
自分が普段挑戦する人をどう見ているかによって、自分が挑戦しようとするとき、周りからどんなふうに見られるかを認識するのだ。
だからこそ、挑戦し続けていくには、まず初めに自分自身の周りに対する見方を変える必要がある。
ではどうやって見方を変えるのか?
《見方を変える方法とは?》
その答えはとてもシンプルだ。
本気で挑戦している誰かの姿を自分の目で見ること。
そしてその挑戦している姿を、他の誰かが心から讃えている雰囲気の中に身を置くこと。
に他ならない。
そうすれば、自分も挑戦してみたくなる。シリコンバレーがまさにそうだ。
もしかすると、そういった姿を今こどもたちに見せるべきなのは我々、大人なのかもしれない。大人がチャレンジし、失敗しても讃える雰囲気をつくること。
大人が実践して初めて、「挑戦しなさい」「失敗しなさい」という言葉が彼らに届くのかもしれない。
子供たちも「挑戦しなさい」「失敗しなさい」と言っている大人を注意深く見ている。
大人が、自ら率先してその姿を見せていなければ、彼らも見破るのだ。
人の挑戦を妬むことなく、斜めにみることなく、失敗したとしても讃え、自分もそうありたいと思える環境に身を置くことこそが、彼らが挑戦できる一番の近道なのではないだろうか?
シリコンバレーでは、そんな目に見えない空気があるからこそ、数々の挑戦と失敗を生むのだろう。
その環境に身をおくことで、自分もやってみたい!ときっと思えるのである。
「人は人だし、自分は自分。たとえ挑戦を笑われても全員がそうじゃない。日本に戻って4ヶ月経った今ならそう思えます。だって、あっちにいる人はみんな、挑戦と失敗を讃えてくれたから。」
Good Try JAPAN 代表 左京知久
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Good Try JAPANでは現在、中高生に向けて「世界で自分の将来を考える旅 in シリコンバレー 2015 Spring」を受け付けております。中高生が、自らの将来を考え、自分でその道を切り開いていける力を育みます。シリコンバレーにある最先端のグローバル企業、スタンフォード大学、高校など様々な場所を訪れ、現地で活躍する様々な大人や大学生、高校生たちといっしょに将来を考える、グローバルキャリア教育プログラムです。
*定員20名(定員に達し次第、受付終了となります。予めご了承ください)